香川県偕行会

香川県の旧陸軍将校と元幹部自衛官の会

#5昼食懇談会を実施しました

10月20日 香川県護国神社参集殿において#5昼食懇談会を実施しました。河本伸一氏(陸自81期)から「組織は不条理に陥り合理的に失敗する(コンサルを通じて学んだこと)」という演題で、以下について有意義な話がありました。この際、パワーポイントを使うとともに、その内容を参加者全員に印刷配布する等、周到に準備された内容で素晴らしい卓話でした。
・企業(公文教育研究会社)の顧問としての活動の概要
・敗戦からの学びが生かされていない。(あれほどまでに旧陸海軍をたたきながら組織の失敗を学んだ。しかし、同じことを繰り返している。なぜか?)
・名著「失敗の本質」にみる失敗学の欠陥
・失敗学のアプローチ上の欠陥(人間は「無知と不注意」だから失敗するのではなく、分かっていながら合理的に失敗するのではないか?)
・命令違反が組織を伸ばす。(中川大佐の命令違反が陸軍を変えた。)
・2種類の失敗(条理・不条理)
・陸海軍の失敗の本質(なぜ、予期できたにも関わらず、突き進んで失敗に至ったのか?}
・完全合理性と限定合理性
・なぜ合理的に(分かっていながら)失敗するのか?
・不条理発生のメカニズム(タイプⅠ・Ⅱ)
・価値関数(投資行動、ノモンハンにおける心理会計、初期・末期大本営の心理会計等)
・埋設(取引)コストを考慮して不条理に陥る例
・先人からの学びを生かす。
【結論】
 歴史の追体験とは、先人の生き様を「完全合理性」の立場から分析するのではなく、我もまた「不完全な存在」であり、不完全な情報の中で、すなわち「限定合理性」の中で行われる必要がある。

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次いで、参加した全員で卓話に関する質疑応答を自由に行うとともに、会員の現況、入会状況(今年の退職幹部自衛官は全員が入会)等の紹介があり、必要な情報交換を実施し、大変有意義な昼食懇談会になりました。
 参加した会員の皆様、ご多忙中にもかかわらず参加して頂き本当にありがとうございました。これから寒さが日一日と厳しくなりますが、皆様の益々のご健勝を心よりご祈念致しますとともに、またの再会を楽しみにしております。次回は、令和元年11月17日(日)、講師は岡本雅之氏(陸自68期)です。多くの皆様の参加をお待ちしております。

 

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