香川県偕行会

香川県の旧陸軍将校と元幹部自衛官の会

石原完爾の最終戦争論の検証

 6月26日 香川県護国神社参集殿において#2昼食懇談会を実施し、朝田一輝氏(東幼49期)の予定でしたが、都合により急遽、氏家嘉宣氏(陸自69期)が「石原完爾の最終戦争論の検証」について卓話を実施しました。その要旨は、
○最終戦争は、世界の一地方を根拠とする武力が、全世界の至るところに対し迅速にその威力を発揮し、抵抗するものを屈伏し得るような最終兵器が生まれることによりその発生は可能となり、世界は統一される。
○「最終戦争論」の検証
・現在まで最終戦争は起きていない。
・現状は、石原完爾の言う最終兵器(核爆弾、大陸間弾道弾)は完成しているが、戦争は継続して発生している。核を保有する超大国同士の戦争は抑止されているが、朝鮮戦争ベトナム戦争、アフガン戦争等の地域紛争は多発している。
・最終戦争が発生しなかった原因
①米国はナチスドイツのような独裁国家ではなく民主主義国家であったがため、核爆弾を使用して世界統一を図ろうとしなかった。(核保有時期:ソ連1949年、英1952年、仏1960年、中国1964年)
②最終兵器(核爆弾、大陸間弾道弾)を多数の国が保有した。
③世界の世論、地球を破壊しかねない被害の甚大さ等から、核爆弾を容易に使用できない。
・今後、最終戦争は発生しないのか
   前項理由から発生しない可能性が高いと思われるが、仮に相手の最終兵器(核爆弾、大陸間弾道弾)を無効にするような想像を超える新兵器が完成すれば、最終戦争はなしとしない。
○石原完爾は日支戦争に反対しており、また国力不足の昭和15年の状況では米と戦うべきでないとしており、仮に石原完爾が日本国の中枢にあって戦争指導していれば、違った結果になったと思われる。不世出の天才戦略家石原莞爾を生かせなかったことが悔やまれる

その後、活発な質疑応答、英国のEU離脱等について自由に意見交換を実施しました。本日参加して頂いた皆さん、お忙しい中、大変ありがとうございました。次回の昼食懇談会は、平成28年7月24日(日)、講師は山下透氏(陸自67期)です。多くの皆様の参加をお待ちしております。

 

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