香川県偕行会

香川県の旧陸軍将校と元幹部自衛官の会

志士は溝谷に在るを忘れず、勇士は其の元を喪うことを忘れず

6月22日 香川県護国神社参集殿において今年度#2昼食懇談会を実施しました。

中尾壽男氏(大阪幼年学校48期)から英国人大物ジャ-ナリスト、ヘンリ-・スコット・ストークス著作「連合国戦勝史観の虚妄」についての紹介・説明がありました。
著者は、オックスフォ-ド大学を卒業、『フィナンシャル・タイムズ』『ロンドン・タイムズ』『ニューヨーク・タイムズ』各東京支局長を歴任し、来日時には「日本=戦争犯罪国家」論を疑うことなく信じていたが、滞日50年後、歴史観を180度転換し、戦後、戦勝国の都合で作り上げられた「日本悪玉論」を断罪している。その主な主張は、
・「連合国戦勝史観」は、有色人種を蔑視した白人優位主義から発しているのに、日本国民の多くが、なぜ、そのような史観を信じているのか、理解に苦しむ。
・「連合国戦勝史観」は歴史をあざむいており、日本は侵略国家ではなく、第2次大戦はアジア諸国を欧米の植民地支配から解放する戦争だった。
・日韓・日中関係を歪めてきたのは日本が卑屈になって両国に不必要に腰をかがめてきたのが原因だ。
・日本のふるい歴史と精神はアメリカによって骨抜きにされた。
・日本は民主主義の名のもとに横暴なジャーナリズムと臆病な政治家によって運営されている。
日本国憲法は、日本を弱体化し、戦争のできない国にするもので、平和憲法は属国憲法。 変更させないための96条。
・日本は、自主憲法を制定し、国軍を持つべきで、それなくして独立国家となることなどあり得ないことだ。
・昭和30年7月衆議院本会議で戦犯赦免決議を可決しており、現在日本に戦犯はいない。
等であり、その主張するところは、ずばり本質を突いているように思う。今の日本は独自で国を守る力もなく、アメリカに従属した外交政策しか取れず、真の独立国家と決して言える状態ではない。この度のヘンリ-・スコット・ストークスの「連合国戦勝史観の虚妄」は、真の独立国家としてあるべき日本の姿を教えているように思う。

 次いで、今西建二氏(陸自71期)から「辞世の句」、「武道とは」について貴重な話がありました。
吉田松陰の辞世の句はいくつかあったということで、そのうち「此程に思定めし出立は けふきくこそ嬉しかりける」(死を覚悟しており、今日やっとその日が来てうれしい)、「身はたとひ 武蔵の野辺に朽ちぬとも 留め置かまし 大和魂」(自分の命がこの武蔵野で果てる事となっても、自分の思想はここに留めおく)の紹介があったほか、西郷隆盛山岡鉄舟乃木希典の辞世の句の紹介がありました。なお、死に際しての松陰の態度は、立派なもので、辞世の句を吟じながら悠々として刑場に歩き進み、その一糸乱れざる平静な態度は、首切り役人山田浅右衛門の胸を強く打ったと後世に伝えられているとのことです。
また、松陰の言葉、孟子の滕文公(とうぶんこう)下の引用である「志士は溝谷に在るを忘れず、勇士は其の元(かうべ)を喪うことを忘れず」(志士は道義のためなら、窮死してその屍を溝や谷に棄てられても良いと覚悟しており、勇士は国のためならば、いつ首を取られても良い覚悟を決める事が必要)の紹介があり、今西さんも座右の銘にしているそうです。覚悟をもって生きた先人の辞世の句、座右の銘等の紹介を聞き、改めて諸行無常の世にあって、一度しかない人生を最後まで悔いなく充実したものにしなければ、と強く思った次第であります。
その後、全員で予備役の話(旧軍、自衛隊)、慰安婦問題等について自由に意見交換を実施致しました。本日も実に有意義な懇談会で、あっという間の2時間半余でした。特に、卓話を担当された中尾さん(大阪幼年学校48期)及び今西さん(陸自71期)、大変素晴らしい、心に残る卓話を実施して頂き、本当にありがとうございました。

 

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